山口県立こころの医療センター | 院長 兼行 浩史 | |
当院は,平成23年4月から地方独立行政法人山口県立病院機構となり,山口県立総合医療センターと2病院が揃って新たな船出を迎えました。その後8年が経過しましたが,様々な課題を乗り越え,新たな取り組みを進める上で,2病院が県立病院機構に集約されて連携することで,大きな恩恵を受けていると実感しています。
また,平成26年2月から精神科に特化した電子カルテシステムを導入し,順調に運用を開始しています。先進的な自治体精神科病院と共通のシステムを導入することとなり,今後の発展性も期待しています。電子カルテの活用によって,患者さんの貴重な診療情報を医療スタッフで効率的に共有する体制が確立しています。
当院では,平成12年から精神科救急情報センターを運用して県内精神科救急医療体制の維持・向上に努めてきました。平成21年に認知症疾患医療センター,平成22年に臨床心理センターを立ち上げ,老年期および児童・思春期精神科の専門医療を充実させてきました。さらに,平成25年度から高次脳機能障害支援センターも引き継いでおり、第7次医療計画に沿って多様な精神疾患に対応して県連携拠点機能を向上させています。さらに災害派遣精神医療チーム(DPAT)の先遣隊を組織し、災害拠点病院としての役割も整備しています。
入院棟では,平成22年10月から2階で第2の精神科救急入院棟(50床)の認可を受け,4階の精神科救急入院棟(31床)とともに,急性期医療の体制を向上させています。今後も,他医療機関や行政・福祉との連携を深めながら,県全域の精神科医療体制を高めるために,県立病院として当院が担うべき役割を模索して行きます。
これまでも、医学生・研修医、後期研修医の教育・研修を担ってきましたが、今後、大学精神科医局と密接に連携して、当県内で優秀な精神科医を育成し、その活躍を継続支援する研修体制の充実を図って行きます。また、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士(公認心理師)等を志す方々の研修にも寄与して行きたいと願っております。
当院職員は,県民の心の健康を支える質の高い医療の提供を理念として,至誠と矜持をもって,患者さんとそのご家族・支援者とともに歩んで行きます。皆様には、より一層のご理解とご支援をいただきますよう心よりお願い申し上げます。